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宛嵌
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あては
ふりがな文庫
“
宛嵌
(
あては
)” の例文
『ベンカウ』とは矢張私達の田舍で使ふ言葉で、まあ生意氣と言つたら近いかも知れませんが、すつかり意味の
宛嵌
(
あては
)
まる東京言葉は一寸思ひ當りません。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
見るほどのものはあらかじめの心積りの高さを率て実山に
宛嵌
(
あては
)
め眺めるのであった。
富士
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
自己の破壊にも等しい
懺悔
(
ざんげ
)
——彼は懺悔という言葉の意味が果してこういう場合に
宛嵌
(
あては
)
まるかどうかとは思ったが——その結果が自分に及ぼす影響の恐ろしさを思うと
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
『翁』といふ言葉の持つ意味が一番よく
宛嵌
(
あては
)
められるのも芭蕉であるやうな氣がする。
芭蕉
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
ギャラントという言葉をそのまま
宛嵌
(
あては
)
め得るような、巴里に滞在中も黄色い皮の
手套
(
てぶくろ
)
を集めていたことがまだ岸本には忘れられずにある青年の紳士らしい
風采
(
ふうさい
)
をしたその留学生は
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
丁度あの雑誌の中に現われていたものは、そのまま学校の方にも
宛嵌
(
あては
)
めて見ることが出来た。こうした意気込の強い、
雑駁
(
ざっぱく
)
な学問の空気の中が、捨吉の胸に浮んで来る麹町の学校だった。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼はまた自分の再婚の場合を仮に節子が他へ
嫁
(
かたづ
)
いたとして
宛嵌
(
あては
)
めて見た。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
宛
常用漢字
中学
部首:⼧
8画
嵌
漢検1級
部首:⼭
12画
“宛”で始まる語句
宛
宛然
宛名
宛行
宛城
宛転
宛字
宛如
宛子
宛子城