なぶり)” の例文
ことしは芳之助よしのすけもはや廿歳はたちいま一兩年いちりやうねんたるうへおほやけつまとよびつまばるゝぞとおもへばうれしさにむねをどりて友達ともだちなぶりごともはづかしく
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「いやかい? いやんなって来たのかい私が。知ってるよ、いやなのは! そう云いな。何故だましてるんだ? どうして私をなぶりもんにしてるんだよ!」
だが「幸福しあわせ」だといって朱い唇でヒステリカルに笑いもする。そして最後はあまくしなやかに唄いなごめてくれるのだ。ダミアの唄はなぶり殺しと按撫あんぶとを一つにしたようなものなのだ。
巴里の唄うたい (新字新仮名) / 岡本かの子(著)