天津あまつ)” の例文
とにかくその朝、天津あまつ飛行士の作った黄金階段に見張りに出ていたクヌヤという月の住人が急いで天津のところへ駈けつけてきた。
月世界探険記 (新字新仮名) / 海野十三(著)
『題知らず……躬恒みつね……貫之つらゆき……つかわしける……女のもとへ……天津あまつかりがね……』おおわれ知らず読んだか。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
私は、小湊こみなと荒海あらみ天津あまつたえうらあたりの浜辺に遊んでいる真黒なはなたらしの漁師の子供を見るたびに、聖日蓮ここにありと、いくたび感激の涙をこぼしたか知れません。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
仕様がないから深川櫓下の花屋へ此のを頼んで芸妓げいしゃに出して、私の喰い物にしようと云う了簡でしたが、又私が網打場の船頭の喜太郎きたろうという者と私通いたずらをして、船で房州ぼうしゅう天津あまつへ逃げましたがね
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
天津あまつ御国の君とこそ思へ
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
だがもしここに乗組員の一人である理学士天津あまつミドリ嬢が苦心の結果作りあげた世界に珍らしい電子望遠鏡という名の新型望遠鏡がなかったとしたら
月世界探険記 (新字新仮名) / 海野十三(著)
と叫ぶなり、彼女は死んだものとばかり思っていた兄の天津あまつ飛行士の胸にワッとばかりすがりついた。
月世界探険記 (新字新仮名) / 海野十三(著)