天守てんしゅ)” の例文
安房国館山あわのくにたてやま里見義弘さとみよしひろが城——ここには三層の天守てんしゅがあって海に面し、威容は海路からも望まれます。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
されば、気高いと申しても、天人神女てんにんしんにょおもかげではのうて、姫路ひめじのお天守てんしゅはかまで燈台の下に何やら書をひもどく、それ露がしたたるように婀娜あでなと言うて、水道の水で洗い髪ではござらぬ。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
のものがたりの起つた土地は、清きと、美しきと、二筋ふたすじ大川おおかわの両端を流れ、真中央まんなかに城の天守てんしゅほ高くそびえ、森黒く、ほりあおく、国境の山岳は重畳ちょうじょうとして、湖を包み、海に沿ひ、橋と、坂と
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「そちはすぐ天守てんしゅへあがって、陣触じんぶれの貝をふけ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)