天与てんよ)” の例文
王倫主座としては、あきらかに、あなた方を、ていよく追っ払うつもりでいますが、せっかくな天与てんよ邂逅かいこう、なんとも、拙者にはお別れしにくい。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
よしんば取締りを行うにしても、よろしく研究の上、この天与てんよの美味を生かすように配慮願いたいものである。
河豚は毒魚か (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
これこそ全く天与てんよのもので、いかに努力しても及ばぬ恐ろしいものがあるような気がしているのだ。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)
また或は各地の固有に有余ゆうよ不足ふそくあらんには互にこれを交易こうえきするもなり。すなわち天与てんよ恩恵おんけいにして、たがやして食い、製造して用い、交易こうえきして便利を達す。人生の所望しょもうこの外にあるべからず。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
尊ぶとかいう。せっかくの、この天与てんよの好機を、むなしく、手をこまぬいて、見ておるのは、いかがと存ぜられる。——ぜひ、信雄には、追い撃ちを
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)