大輔たいふ)” の例文
両家とも欺波しば家の家老である。応仁の乱の時、斯波家も両方に分れたとき、朝倉は宗家の義廉にそむいた治郎大輔たいふ義敏にくっついた。
姉川合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
其中、此針のむしろの上で、兵部少輔ひょうぶしょうから、大輔たいふに昇進した。そのことすら、益々脅迫感を強める方にばかりはたらいた。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
なかなか心づかいのこまかな伊藤少輔であった証拠は、明治五年十一月三日付、そのときは工部大輔たいふ遣外副使として在米中の彼から愛妻お梅に送った手紙に
明治の五十銭銀貨 (新字新仮名) / 服部之総(著)
そして行っても行っても思うところへ出られないようないらいらした心地で町を歩いている……ふと、途中で、文部大輔たいふに昇進したという田中不二麿に行きあう。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
其中此針の筵の上で、兵部少輔せうふから、大輔たいふに昇進した。そのことすら、益々脅迫感を強める方にばかりはたらいた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)