大和心やまとごころ)” の例文
大和心やまとごころにそれをたとえた和歌は子供ですら知っている。画家はまたどんなにそれを画題として好んだであろう。模様にも広く取り容れられた。
樺細工の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
沖縄人は大和心やまとごころになってしまったのであります、これまでは薩州と琉球との関係は経済的、政治的でありましたが、ここに至って一歩進んで精神的となりました。
琉球史の趨勢 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
茶事の物語にことよせて大和心やまとごころのやさしい動きをイギリス文字に写し試みたのが、察するに
茶の本:01 はしがき (新字新仮名) / 岡倉由三郎(著)
「さて、どういうてよいか。……大和心やまとごころと申さばややそれに似かよう気もする。もっと小さくいうならば、剛に対する柔、殺に対する愛、刹那に対する悠久、動に対する静」
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
杜陵とりやうを北へ僅かに五里のこの里、人は一日の間に往復致し候へど、春の歩みは年々一週が程を要し候。御地は早や南の枝に大和心やまとごころほころび初め候ふの由、満城桜雲あううんの日も近かるべくと羨やみ上げ候。
渋民村より (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
敷島しきしま大和心やまとごころを人問はば朝日に匂ふ山桜花
人々に答ふ (新字旧仮名) / 正岡子規(著)