外洋そとうみ)” の例文
ことに瀬戸内海のように外洋そとうみとの通路がいくつもあり、内海の中にもまた瀬戸が沢山あって、いくつものなだに分れているところでは
瀬戸内海の潮と潮流 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
その上、とがめられたのが好都合になって様々の好誼こうぎをうけ、行手の海の難処なども懇篤に教えさとされ、鄭重ていちょうなる見送りをうけて外洋そとうみへと漕出した。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
試みに風ぎたる日、いわの上にたたずんで遠く外洋そとうみの方をながむる人は、物凄き一条のうしおが渦巻き流れて、伊豆の方へ向って走るのを見ることができましょう。
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
見れば見るほど、天下の奇景きけいであった。岩山がうまくより集って、偉大なる巣窟そうくつをつくっている。日は明るくさしこみ、そして洞窟の中をひたしている海水は、外洋そとうみに通じているようであった。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
番所の目の下は海で、この洲崎の鼻から見ると、内海と外洋そとうみの二つの海を見ることができる。風ぎたる日、遠く外洋の方をながめると、物凄き一条の潮が渦巻き流れて伊豆の方へ走る。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
外洋そとうみでなければ鯨は、死んでも沈むものじゃない、と怒鳴るのもある。
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)