声咽こゑむせ)” の例文
嬉しやと貫一は、道無き道の木をぢ、がけを伝ひ、あるひは下りて水をえ、石をみ、巌をめぐり、心地死ぬべく踉蹌ろうそうとしてちかづき見れば、緑樹りよくじゆ蔭愁かげうれひ、潺湲せんかん声咽こゑむせびて、浅瀬にかかれる宮がむくろよ!
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)