土芥どかい)” の例文
いわば依託金いたくきんのごときものであるからして、これを無意味に浪費ろうひしすなわち土芥どかい同然に取り扱うことははなはだしからんこととも言える。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
が、富貴顕栄を見る土芥どかいに等しく、旧外国語学校廃止後は官報局の一属僚を甘んじて世の栄達を冷笑していた。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
そういう思いをして得て来た生命がけのかてを見ること、この娘さんは土芥どかいにひとしい。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
然るに昇は何の道理も無く何の理由も無く、あたかも人をはずかしめる特権でももっているように、文三を土芥どかいの如くに蔑視みくだして、犬猫の如くに待遇とりあつかッて、あまつさえ叔母やお勢の居る前で嘲笑ちょうしょうした、侮辱した。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
金を路傍ろぼう土芥どかいのごとくみなすのはいかにもよくがなくいさぎよく聞こえるが、また丁寧ていねいに考えると金は決しておのれの物ではない。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
黄金は土芥どかい宝珠ほうじゅ
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)