土百姓どびゃくしょう)” の例文
土百姓どびゃくしょうめが、大胆だいたんにも□□□□□□□□□□□(虫食いのために読み難し)とて伝三を足蹴あしげにかけければ、不敵の伝三腹をえ兼ね、あり合うくわをとるより早く
伝吉の敵打ち (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
さむらいは両刀を腰に横たえて、天下の良民たる町人・百姓等を低く眼下に見下ろし、素町人すちょうにん土百姓どびゃくしょうと軽蔑して、場合によっては斬捨御免きりすてごめんという程の権力をも有したものであった。
隅「大きな声をするない、手前の様な土百姓どびゃくしょうに用はないのだ、っとサバ/\した」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
農商も昔日せきじつ素町人すちょうにん土百姓どびゃくしょうに非ずして、藩地の士族を恐れざるのみならず、時としては旧領主を相手取りて出訴に及び、事と品によりては旧殿様の家を身代限しんだいかぎりにするの奇談も珍しからず。
徳育如何 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
こんな土百姓どびゃくしょうとは生まれからして違うんだ。ただ智慧のないところが惜しいだけだ。どうしていいか分らないのが困るだけだ。困ったって負けるものか。正直だから、どうしていいか分らないんだ。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)