噛着かじりつ)” の例文
と云ったものの、両方で、机をずって、ごそごそと火鉢に噛着かじりついて、ひったりと寄合よりあわす。
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
つたものの、兩方りやうはうで、つくゑをずつて、ごそ/\と火鉢ひばち噛着かじりついて、ひつたりと寄合よりあはす。
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
私は気が付くと、その、——後で妹の話を聞いて慄然ぞっとして飛んで出たが、猫行火ねこあんか噛着かじりついていて、豆煎まめいりを頬張ったが、余り腹が空いて口が乾いて咽喉のどへ通らないから、番茶をかけて掻込かっこんだって。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)