)” の例文
「まだ四十兩殘るが、これはお靜と俺が湯治たうぢに行つて、溜めた店賃たなちんを拂つて、殘つたら大福餅のあばひでもするか」
そうして蓄積した不眠不休の精力とすばらしいいと、無敵の健脚を利用した逃走力でもって、到る処の警戒線を嘲弄ちょうろうし、面喰らわせるのを、一本やりの逃走戦術にして来たものであった。
白菊 (新字新仮名) / 夢野久作(著)