唐墨とうぼく)” の例文
幸い持合せのちと泥臭どろくさいが見かけは立派な円筒形えんとうけいの大きな舶来はくらい唐墨とうぼくがあったので、こころよく用立てた。今夜見れば墨痕ぼくこん美わしく「彰忠しょうちゅう」の二字にって居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
中村さんの『墨色図鑑』には、唐墨とうぼくの思わず眼をみはるような美しい墨色がいくつもっていた。
南画を描く話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
「ごく良い唐墨とうぼくを使っている人間の仕業だ、——それッ」