“唄声”の読み方と例文
読み方割合
うたごえ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
霧の中から唄声うたごえが近づいて来た。馬をいた五郎吉である。彼はちらと侍たちのほうへあざけりの微笑をくれ、つんと鼻を突上げながら
峠の手毬唄 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
降りるとたちまち、彼等の陽気な唄声うたごえが私の耳朶じだを打ちました。それもそのはず、彼等はわずか五六歩に足らぬところを、合唱しながら拍子を取って進んで行くのです。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
取り乱した服装の女性嫉妬しっと化身けしんが二つ、あたりを見まわしながら無明の夜にのまれ去ると、あとには、立ち樹の枝に風がざわめき渡って、はなれに唄声うたごえがわいた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)