まじな)” の例文
これは恋のまじないの蠑螈。……数負さまが阿波屋に居候になっているのを嫌がられて、どうでも立退くとおっしゃいます。
顎十郎捕物帳:24 蠑螈 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
土版には長方形ちやうはうけいのものと小判形こばんがたのものとの二種有り。用法ようはう詳ならずと雖も、おそくは身のまもり又はまじなひの具などならん。中には前述の土偶どぐうとの中間物の如きものも有り。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
彼はぼんやりとそれを見下ろし、その日の朝刊の見出しをけんめいに思い出そうとしていた。たぎるような欲望を抑えつけるときの、それは彼のいつものおまじないだった。
メリイ・クリスマス (新字新仮名) / 山川方夫(著)
由「あいてえ石頭を打付ぶッつけて……旦那ナニを……まじないでげすから貴方の下帯を外して貸して下さい下帯で釣りを掛けるといので、私のは越中でいけませんが、貴君あなたのは絹でげしょう」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「何とか伝の何章とかいう文句は、なんのまじないの文句だい?」
復員殺人事件 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)