和尚様おしょうさま)” の例文
旧字:和尚樣
鳥部野とりべの一片のけむりとなって御法みのりの風に舞い扇、極楽に歌舞の女菩薩にょぼさつ一員いちにん増したる事疑いなしと様子知りたる和尚様おしょうさま随喜の涙をおとされし。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
和尚様おしょうさまと申そうよりも、尼君様と申しました方が、いっそう似つかわしく思われるような、端麗柔和にゅうわの上品のお顔へ、微笑をさえも含ませて、争いを聞いておられました。
犬神娘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「いいえ、和尚様おしょうさまの所へ行きます」
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
勇猛ゆうみょう精進潔斎怠らず、南無帰命頂礼なむきみょうちょうらいと真心をこら肝胆かんたんを砕きて三拝一鑿いっさく九拝一刀、刻みいだせし木像あり難や三十二そう円満の当体とうたい即仏そくぶつ御利益ごりやくうたがいなしとなまぐさ和尚様おしょうさま語られしが、さりとは浅い詮索せんさく
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)