くん)” の例文
『母さん、もう一つおくんな。』と省吾は訴へるやうに、『進には二つ呉れて、わしには一つしか呉ねえだもの。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
『一せんくんなさい!』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
お作は八歳やつつばかりの女の児。麻の袋を手に提げた儘、母の権幕をおそれて進みかねる。『母さん、おくんな。』と進も他の子供も強請せがみ付く。省吾も其と見て、母の傍へ駈寄つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
『一せんくんなさい!』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)