呉州ごす)” の例文
煮染皿にしめざら。柳模様。径六寸九分、高さ一寸。陶器。地は淡黄色、幹は鉄砂、葉は呉州ごす。窯は瀬戸。幕末の作。石丸重治氏蔵。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
だが中で特筆されていいのは線彫で模様を描きこれに飴釉や呉州ごすを差したもので、ほとんど他の窯場に見ない手法である。
現在の日本民窯 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
次に他の窯では発達しなかった線描の手法が見られるのです。白絵の上に絵を線で描き、それに呉州ごすや飴を差すのです。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
これは天然の呉州ごすすたれ化学的なコバルトがこれに代ったことが大きな原因でありましょう。一つは材料が人為に過ぎて骨を持たなくなりました。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
ならわしとして前のものを「染附そめつけ」または「呉州ごす」といい、後のものを「赤絵あかえ」とか「上絵うわえ」とか呼びます。よく寿司屋が用いる「錦手にしきで」の皿や鉢は皆赤絵であります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
例えば一つの壺に染附けられたコバルトと呉州ごすとの色を比べよ。いずれが美しいかについて答えに躊躇ちゅうちょはないであろう。今もなおコバルトさえ用いずば、古作品に比べ得る器は多いのである。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
この窯では雑器になかなかうまく山水や花模様を描く。北国で見られる絵つけの便器は皆平清水で出来る。しかしもとの呉州ごすを棄てて洋風のコバルトに変え、けばけばしい色になったのは残念である。
現在の日本民窯 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)