吾主わぬし)” の例文
母、豊雄を召して、さる物一四二何のれうに買ひつるぞ。米も銭も太郎が物なり。一四三吾主わぬしが物とて何をか持ちたる。
翁も勝四郎と見るより、一三九吾主わぬし何とて遅く帰り給ふといふを見れば、此の里に久しき漆間うるまの翁といふ人なり。
翁いふ。吾主わぬし遠くゆき給ひて後は、夏のころより干戈かんくわふるひ出でて、里人は所々にのがれ、わかき者どもは軍民いくさびとに召さるるほどに、一四一桑田さうでんにはかに狐兎ことくさむらとなる。