のんど)” の例文
さては効無かひなおのれいかりして、益す休まず狂呼きようこすれば、彼ののんどは終に破れて、汨然こつぜんとして一涌いちゆう鮮紅せんこう嘔出はきいだせり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
これまでなりと観念したる白糸は、持ちたる出刃を取り直し、躍り狂う内儀ののんど目懸めがけてただ一突きと突きたりしに、ねらいをはずして肩頭かたさきりたり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
われは嘗て我才の戲場によろしくして、我のんどの喝采を博するに足るをためし得たれば、一たび意を決して俳優の群に投ぜば、多少の發展を見んことかたからざるべし。ベルナルドオ畢竟何爲者なにするものぞ。
のんどは又ふさがりて、銕丸てつがんふくめるおもひ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)