合総がっそう)” の例文
そいつを合総がっそうにとりあげて、口をもぐもぐさせながら、矢立と筆をつき出したのを、対馬守はうなずきつつ受け取って
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
肩をなでる合総がっそう、顔を埋めるひげと胸毛を、風になぶらせて、相変わらず、ガッシリしたからだを包むのは、若布わかめのようにぼろのさがった素袷すあわせに、縄の帯です。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ふさふさと肩にたらした合総がっそう、松の木のような腕ッ節にブラリ下げたのは、一升入りの貧乏徳利で……。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
白髪しらが合総がっそうに取り上げた撫付なでつまげ、品も威もある風貌、いわば幾とせの霜を経た梅の古木のおもかげでこの玄鶯院と名乗る老翁おやじ、どうもただの隠者とは受け取れない。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
合総がっそうの頭をユラリとさせて、かつぎ八百屋やおやをしている長屋の若者のほうを、ふり向いた。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)