召上めしあ)” の例文
山形の城主最上源五朗義俊げんごろうよしとしが所領を召上めしあげられて、重臣を各大名に預けられたのは、元和げんな八年七月十八日、この物語から丁度ちょうど一年半ばかり前のことです。
十字架観音 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
おれは貴様達に負ける男ではないから、閉口して、おれが今この折詰のお馳走を召上めしあがるところを、拝見しろ」
狸問答 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)
旦那様だんなさま何か召上めしあがりませんか、』と如何どうかして気慊きげんを取るつもりで優しく言つた。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「やあ、この陣羽織じんばおりは血にもよごれていねえ。ドレ、こっちへ召上めしあげてやろうか」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
眼をね、今日けふは眼を御馳走しようと思つたのです。なんの眼? 無論人間の眼をですよ。そりや眼を召上めしあがらなければ、人間を召上つたとは云はれませんや。眼と云ふやつはうまいものですぜ。
LOS CAPRICHOS (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
続いて天明六年に将軍家治こうじ、異薬を勧めたという名で田沼主殿頭は退けられ、翌七年には遠州相良さがら五万七千石の所領を召上めしあげられて閉居、八年には田沼の頽勢も一瞬にして壊滅