古刹ふるでら)” の例文
こは大なる古刹ふるでらにして、今は住む人もなきにや、ゆかは落ち柱斜めに、破れたる壁は蔓蘿つたかずらに縫はれ、朽ちたる軒は蜘蛛くもに張られて、物凄ものすごきまでに荒れたるが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
縁日の見世物みせものいでし身なりしを、ゆえありて小屋を忍出で、今この古刹ふるでらに住むものなれば。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
かくて黄金丸は鷲郎わしろうと義を結びて、兄弟の約をなし、この古刹ふるでらを棲居となせしが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)