取付とッつ)” の例文
「その方が心持こころもちい、命を取ったんだと、そんなにせずともの事を、わたし訴人そにんしたんだから、うらみがあれば、こっちへ取付とッつくかも分らずさ。」
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
関取能くお考えください、わたしは恥をお話し致しますよ、昨年夏の取付とッつきでげしたが、瓜畑を通り掛りまして、真桑瓜を盗んで食いまして、すでに縛られて生埋になる処を
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
女房のおみねが己に取り付く事の出来ない所から、此の女に取付とッついて己の悪事を喋らせて、おかみの耳に聞えさせ、おれを召捕めしとり、お仕置しおきにさせてうらみをはらす了簡に違いなし
先に藤屋七兵衞の死骸しげえかこしてるのを死骸しげえとは知らいで、寺男の庄吉が先へ誰か逃込のげこんで床下よかしたに此の通りちま/\とねなってりみすと思って、おべの処へ後生大事におさん取付とッついて居りみすと、さ
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)