参向さんこう)” の例文
旧字:參向
赤松円心父子おやこ四人が、せい五百騎で、奉迎のお供にと、福厳寺へ参向さんこうしてきた。折しものことである。龍顔わけてうるわしく
「何はいても……」と急遽、参向さんこうしたのであろう。千早の籠城半年余の囲みが解け、死中に活をえたのも、つい二十日前のことでしかない。
実をいえば、家康の参向さんこうは、信長にとって、折から、出先の客、というものであった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
清洲城へ参向さんこうあるという三河岡崎の松平元康もとやすを出迎えるためにであった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
忠盛が、あんなにも長い年月、ろくに出仕しゅっしもせず、お召しのほかは、節会せちえや式日の参向さんこうすら怠って来ながら、このごろやっと、久びさな勤務についても、上皇は、以前どおりな寵遇ちょうぐうをかれに示された。