厳橿いつかし)” の例文
旧字:嚴橿
「吾が背子がい立たせりけむ厳橿いつかしもと」に執着があるので、この歌を選んで仮りに真淵の訓に従って置いた。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
厳橿いつかしや、白檮しらかしや、処女檀をとめまゆみ
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
くにやまえて背子せこがいたせりけむ厳橿いつかしがもと 〔巻一・九〕 額田王
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
下半の訓は契沖の訓(代匠記)であるが、古義では第四句を、「い立たしけむ」と六音に訓み、それに従う学者が多い。厳橿いつかしおごそかな橿の樹で、神のいます橿の森をいったものであろう。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)