即功紙そっこうし)” の例文
それから身体からだが生れ代ったように丈夫になって、中音ちゅうおん音声のどに意気なさびが出来た。時々頭が痛むといっては顳顬こめかみ即功紙そっこうしを張っているものの今では滅多に風邪かぜを引くこともない。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
顳顬こめかみ即功紙そっこうし張りて茶碗酒引かける流儀は小唄こうたの一ツも知らねば出来ぬことなるべく、藁人形わらにんぎょうに釘打つうしときまいり白無垢しろむくの衣裳に三枚歯の足駄あしだなんぞ物費ものいりを惜しまぬ心掛すでに大時代おおじだいなり。
桑中喜語 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)