単于ぜんう)” の例文
(無理でも、もう少し早くかねての計画——単于ぜんうの首でも持って胡地こちを脱するという——を実行すればよかったという悔いを除いては、)
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
吾家ごか吹毛剣すゐまうけん単于ぜんう千金にあがなひ、妖精太陰たいいんに泣く。一道の寒光、君看取せよ。(三月三日)
漢書かんじょ匈奴伝きょうどでんには、その後、李陵の胡地でもうけた子が烏籍都尉うせきといを立てて単于とし、呼韓邪こかんや単于ぜんうに対抗してついに失敗した旨が記されている。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
血が血だけに胡風こふうになじむことも速く、相当の才物でもあり、常に且鞮侯そていこう単于ぜんう帷幄いあくに参じてすべての画策にあずかっていた。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)