半丁はんちょう)” の例文
このやみなかに、ただ一つきているもののごとくおもわれたものがあります。それは、半丁はんちょうおきごとにともされている電燈でんとうでありました。
でも車体は尚半丁はんちょうほど前進した。車外へ出てみると、後方に根賀地と怪漢との乱闘しているらしい姿を認めた。駈けつける途中に、一方がたおれた。
空中墳墓 (新字新仮名) / 海野十三(著)
彼は静かな茶の間の空気を自分で蹴散けちらす人のように立ち上ると、すぐ玄関から表へ出た。そうして電車通りを半丁はんちょうほど右へ行った所にある自動電話へけつけた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もう半丁はんちょうもゆけば喫茶ギボンがあるので、そこによって温い紅茶をのもうと思った。そして眼をあげてチラリとその方角を眺めた。丁度そのときだった。
流線間諜 (新字新仮名) / 海野十三(著)