“十坪”の読み方と例文
読み方割合
とつぼ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と蘆の中に池……というが、やがて十坪とつぼばかりの窪地くぼちがある。しおが上げて来た時ばかり、水を湛えて、真水にはしまう。
海の使者 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
庭は十坪とつぼほどの平庭で、これという植木もない。ただ一本の蜜柑みかんがあって、へいのそとから、目標めじるしになるほど高い。おれはうちへ帰ると、いつでもこの蜜柑を眺める。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
二方は生垣いけがきで仕切つてある。四角な庭は十坪とつぼに足りない。三四郎は此狭いかこひなかに立つたいけの女を見るや否や、たちまち悟つた。——花は必ずつて、へい裏にながむべきものである。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)