“勢田(せた)” の例文
こんどの上洛では、特に道をかえて勢田(せた)へかかった。それは夏の初めに、彼が設計して着手させておいた勢田の長橋(ながはし)の工事が落成したとあるので
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
近江の湖水では矢走(やばせ)の渡しがあるが、これを渡ることは禁ぜられていた。それは比叡颪(ひえいおろし)の危険を慮かってのことであった。私どもも勢田(せた)の長橋を渡って大津へ入込んだ。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
勢田(せた)では風邪でも引込んでるらしい血走つた眼をした夕陽を見た。矢走(やばせ)では破けた帆かけ船を見た。三井寺(ゐでら)では汽車の都合があるからといつて、態々(わざ/\)頼んで十五分程早目に時の鐘を撞(つ)いて貰つた。
蘭丸は、馬で勢田(せた)村をすぎ、大津をこえ、三井寺の下でようやく秀吉の列に追いついた。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
勢田(せた)の西、逢坂口(おうさかぐち)、山科(やましな)と行くところに、たくさんな出迎えが雲集していた。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)