尾張藩の勘定奉行かんじょうぶぎょう、普請役御目付おめつけ錦織にしこうりの奉行、いずれも江戸城本丸の建築用材を見分けんぶんのためとあって、この森林地帯へ入り込んで来る。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
勘定奉行かんじょうぶぎょう(今の大蔵大臣)の小栗上野介おぐりこうずけのすけが、旗本から租税を取りたてて、その資金をもって、庶民のなかから多くの軍兵を募ったものである。
そのもっとも力を致したるは勘定奉行かんじょうぶぎょう在職中ざいしょくちゅうにして一身を以て各方面にあたり、横須賀造船所よこすかぞうせんじょ設立せつりつのごとき、この人の発意はついでたるものなり。
こうおだやかに言われて、兵馬は大勢にかこまれて勘定奉行かんじょうぶぎょうの役宅の方へ引かれて行ってしまいました。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
藩の勘定奉行かんじょうぶぎょう、材木奉行、作事奉行なぞは毎年街道を下って来るたびに、必ず彼の家に休息するか宿泊するかの人たちであるばかりでなく
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
尾州の勘定奉行かんじょうぶぎょうから木曾谷の民政権判事ごんはんじに転任して来た土屋総蔵の力による。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)