加番かばん)” の例文
土井は両町奉行に出馬を命じ、同時に目附中川半左衛門、犬塚太郎左衛門を陰謀の偵察、与党の逮捕に任じて置いて、昼四つどき定番ぢやうばん大番おほばん加番かばんの面々を呼び集めた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
はじめとして加番かばんには戸田大隅守殿おほすみのかみどの同植村土佐守殿町奉行まちぶぎやうには松平日向守ひうがのかみ殿鈴木飛騨守ひだのかみ殿大番頭おほばんがしら松平采女正うねめのしやう殿設樂したら河内守殿御目附おんめつけ御番しう列座れつざ縁側えんがはには與力十人同心二十人出役しゆつやく致しいと嚴重げんぢうかまへたり時に上段のみす
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これだけでは守備が不足なので、幕府は外様とざまの大名に役知やくち一万石づゝつて加番かばんに取つてゐる。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
九つ時になると、両大番頭おほばんがしらが先導になつて、土井は定番ぢやうばん加番かばんの諸大名を連れて、城内を巡見した。門の数が三十三箇所、番所の数が四十三箇所あるのだから、随分手間が取れる。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)