剣呑けんのみ)” の例文
旧字:劍呑
おかみさんに会って聞きてえことがあると、厭な台詞せりふをいうじゃありませんか。疳にさわったから剣呑けんのみを食らわした処から、ツイあんなに大きな声をいたしましたんで。
瞼の母 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
俄盲目にわかめくらと馬鹿にして、あの隣家となりのふんばりばばあ、さあさあ日が暮れたからお出かけよ……などとだましてなぶったらしい。なるほどなあどこの店でも、こいつア剣呑けんのみを食れる筈だ。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と鼻声になっている女房かみさん剣呑けんのみを食って、慌てて遁込にげこむ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ふざけるねえ、朝っぱらから?」すぐにポンと剣呑けんのみを食った。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)