制御せいぎょ)” の例文
又、まんまるにふくらんだ白いつぼみが、内に燃える発動はつどうがくのかげに制御せいぎょしながら、自分の爆発する時期を待っているのもいいものです。
季節の植物帳 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
一郎に狂人制御せいぎょ用袖無しシャツを着せ、足枷あしかせを加えて七号室に監禁する一方、被害者シノ以下四名の男女患者に応急の手当をほどこしたが
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
元来が、煩悩児ぼんのうじであり、情痴においては、自分を制御せいぎょしたり、かくせない一面を、生れながら持っている大凡人だいぼんじんである。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
九月×日 馬の脚を自由に制御せいぎょすることは確かに馬術よりも困難である。俺は今日午休ひるやすみ前に急ぎの用を言いつけられたから、小走こばしりに梯子段はしごだんを走り下りた。
馬の脚 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
しかし一旦体得したなら、森羅万象しんらばんしょうは自由自在、宇宙をさえも制御せいぎょ出来る
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
直義にも制御せいぎょのつかない勢いだった。気勢は正面を切って、尊氏を敵とし、あらゆる布陣と手を打ちはじめた。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この日も、照りつづいて、暑さと人いきれに堪えないためもあったろうが、見方によっては、物蔭での個人的な談合はゆるさぬと、暗に制御せいぎょしているようにも取れる。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)