“利器(えもの)” の例文
し損じたりとまた踏ん込んで打つを逃げつつ、抛(な)げつくる釘箱才槌(さいづち)墨壺矩尺(かねざし)、利器(えもの)のなさに防ぐ術(すべ)なく、身を翻えして退(の)く機(はずみ)に足を突っ込む道具箱、ぐざと踏み貫(ぬ)く五寸釘
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
何かは堪らむ避くる間足らず左の耳を殺ぎ落され肩先少し切り割かれしが、仕損じたりと又蹈込(ふんご)んで打つを逃げつゝ、抛げ付くる釘箱才槌墨壺矩尺(かねざし)、利器(えもの)の無さに防ぐ術なく
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
美わしとみずからおもえる情を讃せよ、協(かな)えりとなす理を讃せよ、剛(つよ)しとなせる力を讃せよ、すべては我らの矛の餌(え)なれば、剣の餌なれば斧の餌なれば、讃して後に利器(えもの)に餌(か)い
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
剛(つよ)しとなせる力を讚せよ、すべては我等の矛の餌なれば、剣の餌なれば斧の餌なれば、讚して後に利器(えもの)に餌(か)ひ、よき餌をつくりし彼等を笑へ、嬲らるゝだけ彼等を嬲れ、急に屠るな嬲り殺せ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)