分与ぶんよ)” の例文
旧字:分與
分与ぶんよしたる田畑をば親族の名に書き換え、即ちこれに売り渡したるていに持てして、その実は再び本家ほんけゆうとなしたるなど、少しも油断なりがたく、彼の死後は殊更ことさら遺族の饑餓きがをもかえりみず
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
財産は弟に譲り自分は独立の生計を求めんと決心せるよしを述べ、さて少許しょうきょの資本の分与ぶんよを乞いしに、思いも寄らぬ有様にて、家を思わぬ人でなしとののしられ、たちまち出で行けがしに遇せられければ
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)