出茶屋でぢゃや)” の例文
橋のつめには向い合って二軒、蔵屋、かぎ屋と名ばかりいかめしい、蛍狩、すずみをあての出茶屋でぢゃやが二軒、十八になる同一年紀おないどしの評判娘が両方に居て、負けじと意気張って競争する、声もうぐいす時鳥ほととぎす
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これは路傍みちばたおのずから湧いて流るるのでなく、人が囲った持主があって、清水茶屋と言う茶店が一軒、田畝たんぼの土手上にひさしを構えた、本家は別の、出茶屋でぢゃやだけれども、ちょっと見霽みはらしの座敷もある。
瓜の涙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)