出洒張でしゃば)” の例文
『知らぬ顔していればよいのです。それを環ごとき若輩者が、らざる出洒張でしゃばりをしたればこそ、恥のわ塗りをしでかしたのだ』
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『これ楠平。若党の分際ぶんざいで、いらざる事に出洒張でしゃばるな。もう御城下を出奔したからには、男女ふたりの恋は命がけ、ここは二人が、恋に勝つか死ぬかの峠だ』
夕顔の門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「うんにゃ、おらは何も知らねえ。うちのッさんに叱られたよ、子供のくせに、大人の世界のことに出洒張でしゃばるな、ヘタするとお白洲しらすへ曳かれるぞッて」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「戸板で急いだほうが、はるかに、お楽であったろうに、小次郎めが、出洒張でしゃばって、いらざる真似を」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「よせ。そのような出洒張でしゃばりは」
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『なにさ? 出洒張でしゃばって』
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)