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凝乎
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ぢつ
ふりがな文庫
“
凝乎
(
ぢつ
)” の例文
『好し、好し、今歸つてやるよ。僕だつて然う
沒分曉漢
(
わからずや
)
ではないからね、先刻御承知の通り。處でと——』と、腕組をして
凝乎
(
ぢつ
)
と考へ込む態をする。
札幌
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
この虫はかうして身動きもせず
凝乎
(
ぢつ
)
としたまま、今、静かに空気の神秘にふれて居るのであつた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
半眼を開いた眼を
凝乎
(
ぢつ
)
と笹の葉ほどに小さく幽かになつて行く同じ船の上に何處までも置いてゐるのであつたが、誰かの足音か聲かに覺まされたもののやうに
偶
(
ふ
)
と正氣づいて
俄
(
にはか
)
に顏を
擡
(
もた
)
げ
崖の下
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
と語り来つて感慨に堪えざるものゝ如く
凝乎
(
ぢつ
)
と手中の写真を見詰るので、傍の見る目も気の毒となつて、ソツと顔をそむけると床の間には香の煙りのゆら/\と心細くも立昇るので僕は覚えずも
千里の駒後日譚拾遺
(新字旧仮名)
/
川田瑞穂
、
楢崎竜
、
川田雪山
(著)
親しい人の顔が、時として、
凝乎
(
ぢつ
)
と見てゐる
間
(
うち
)
に見る見る
肖
(
に
)
ても肖つかぬ顔——顔を組立ててゐる線と線とが離れ/\になつた様な、唯不釣合な醜い形に見えて来る事がある。
氷屋の旗
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
なほその幹をよく見て居ると、その脱殻から三四寸ほど上のところに、一疋の蝉が
凝乎
(
ぢつ
)
として居るのを発見することが出た。それは人のけはひに驚く風もないのは無理もない。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
凝
常用漢字
中学
部首:⼎
16画
乎
漢検準1級
部首:⼃
5画
“凝”で始まる語句
凝
凝視
凝然
凝結
凝固
凝議
凝脂
凝塊
凝集
凝滞