八字髯はちじひげ)” の例文
彼はカイゼルに似た八字髯はちじひげたくわうるにもかかわらず狂人と常人の差別さえなし得ぬくらいの凡倉ぼんくらである。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ほどもなく靴音くつおとたかつてたのはまさしく濱島はまじま! 十ねんあひかれには立派りつぱ八字髯はちじひげ
白い雨外套あまがいとうを着た職工風の男が一人、かすりの着流しに八字髯はちじひげはやしながらその顔立はいかにも田舎臭い四十年配の男が一人、めかけ風の大丸髷おおまるまげ寄席よせ芸人とも見える角袖かくそでコートの男が一人。
寺じまの記 (新字新仮名) / 永井荷風(著)