“全安”の読み方と例文
読み方割合
ぜんあん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
又蘭軒門人渋江抽斎が同じく京水に学んだことは曾て抽斎の事蹟を叙するに当つて言つて置いた。京水は後に一たび榛軒のぢよかえの夫となるべき全安ぜんあんの父である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
棠軒、名は信淳しんじゅん、通称は春安しゅんあん、池田全安ぜんあんが離別せられたのちに、榛軒のじょかえの壻となったのである。かえは後に名をそのとあらためた。おそのさんは現存者で、市谷いちがや富久町とみひさちょうの伊沢めぐむさんのもとにいる。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
京水には二人の男子なんしがあった。長を瑞長ずいちょうといって、これが家業をいだ。次を全安ぜんあんといって、伊沢家の女壻になった。榛軒のむすめかえに配せられたのである。後に全安は自立して本郷弓町ゆみちょうに住んだ。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)