光起みつおき)” の例文
光起みつおきの屋島合戦屏風も、切箔きりはくのくすんだ光と、紺泥こんでいの海と、那須余一の顔の胡粉ごふんなどが、ほのかに見えるだけである。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
絵画も、狩野永徳・山楽、土佐光吉みつよし・光則・光起みつおきなど彩色目もまばゆい程の華麗なものを描いたし、墨絵も、大幅で、華やかなものがもてはやされた。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
もっとも他の新聞にも出ましたから、事件は、さして秘密じゃありますまいが、自分がお夏さんの世話をしておいでだった光起みつおき(山の井医学士の名)さん。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
築地明石町あかしちょうに山の井光起みつおきといって、府下第一流の国手がある、年紀としはまだわかいけれども、医科大学の業をえると、ぐ一年志願兵に出て軍隊附になった、その経験のある上に
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)