健羨けんせん)” の例文
私は氏の雄弁に、煙草を吸う事も忘れながら、しかも氏が暖そうに、悠然と足を伸ばしているのには、大いに健羨けんせんに堪えなかった。
上海游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
これは我々母型を有せざる日本のファンにとって、まことに健羨けんせんあたわざるところである。
天帝の愛子あいし、運命の寵臣ちょうしん、人のうちの人、男のなかの男と世の人の尊重の的、健羨けんせんの府となる昔所謂いわゆるお役人様、今の所謂官員さま、後の世になれば社会の公僕とか何とか名告なのるべき方々も出た。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)