偏愛へんあい)” の例文
小初は子供のうち甘いものを嫌って塩せんべいしか偏愛へんあいして喰べようとしなかった自分を思い出した。
渾沌未分 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
けれどなお、その気に入りの勝敏にも増してもっと偏愛へんあいしていたのは、おい玄蕃げんば盛政だった。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お道とお杉の二人のめいのうち、自分に親しかった弟の娘で、美しくて女一と通りの諸芸にもうとくないお道を偏愛へんあいし、それと手代の徳松を嫁合めあわせて、相模屋の身上を譲るつもりであったこと
小初は横になり体を楽にするとピストルの薄荷がこんこんにおった。こんこん匂う薄荷が眼鼻にわたると小初は静かにもう泣いていた。思えば都会偏愛へんあいのあわれな父娘だ。
渾沌未分 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
お道とお杉の二人のめひのうち、自分に親しかつた弟の娘で、美しくて女ひと通りの諸藝にもうとくないお道を偏愛へんあいし、それと手代の徳松を嫁合めあはせて、相模屋の身上を讓るつもりであつたこと