佳節かせつ)” の例文
佳節かせつの客もみな帰って、梁中書はさい夫人と二人きりで、やっと私室にくつろいだ。そして夫人の杯に、菖蒲酒しょうぶざけいでやりながら
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
赤穴は、「九月九日、重陽ちょうよう佳節かせつをもって帰ってくる日ときめましょう」とこたえる。
こよいは上元じょうげん佳節かせつというので、親族や知己朋友が集まっていた。董承も病室ではあるが、吉例として数献すうこんの酒をかたむけ、いつかとろとろとしょうによって眠ってしまった。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
五三重陽ここぬか佳節かせつをもて帰り来る日とすべし。左門いふ。兄長このかみ必ず此の日をあやまり給ふな。一枝の菊花に五四薄酒うすきさけを備へて待ちたてまつらんと、たがひまことをつくして赤穴は西に帰りけり。