仰言おつしや)” の例文
仰言おつしやつてゐられる事に使ふのであり、天子が臣下にお下しになるお言葉には、必ずくつついてゐた語に違ひない。
古代中世言語論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
だけど、何んと仰言おつしやつても親子ですもの。口先ではそんな冷たいことを仰云つてもお腹の中はさうぢやないと思ひますわ。今に屹度、お子さんが大きくなられたらあなたを
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
だけど、子供こどもなんからないなどゝ仰言おつしやるのは、えうするに空虚くうきよ言葉ことばにちがひありません。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
「意地の悪いこと、仰言おつしやるものぢやありませんわ。田舎のホールが、おいやですの」
「御冗談を仰言おつしやつては困りますよ。私は決してそんな考へは起しません。」
マルクスの審判 (新字旧仮名) / 横光利一(著)
「でもさうは仰言おつしやらないのですもの」
好色の戒めを仰言おつしやるから
「それやならしてやらうと仰言おつしやればなりたうございます。」
マルクスの審判 (新字旧仮名) / 横光利一(著)