仮泊かはく)” の例文
その夏は、海岸林間学校が相模湾さがみわんの、とある海浜かいひんにひらかれていたので、柿丘夫妻は共にその土地に仮泊かはくして、子供たちの面倒をみていた。
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
烏の義勇艦隊かんたいは、その雲にしつけられて、しかたなくちょっとの間、亜鉛とたんの板をひろげたような雪の田圃たんぼのうえに横にならんで仮泊かはくということをやりました。
烏の北斗七星 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
港内に於ける一日の碇泊料六百円を節約するめ今夜は港外に仮泊かはくするのである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
そのときわしの乗っていた汽船が舵器だきに故障を起したので、その某島へ寄って修理をやった。そのために前後五日間そこに仮泊かはくしていた。その間に、わしははからずも黄金メダルを手に入れたのじゃ。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)