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他生
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たしやう
(お
泊め
申すとなりましたら、あの、
他生の
縁とやらでござんす、あなた
御遠慮を
遊ばしますなよ。)
先づ
恐ろしく
調子が
可いぢやて。
來慣れぬ此里に
偶〻來て此話を聞かれしも
他生の
因縁と覺ゆれば、
歸途には必らず立寄りて一片の
𢌞向をせられよ。いかに哀れなる話に候はずや
幽霊といふもの
話にはきゝつるが見しははじめて也、
袖振合すも
他生の
縁とこそいふなれ、いたづらに見すぐさんも
本意なし、今夜こそ
仏法のありがたさも身にしみつれば